オフショアホスティングとは?防弾ホスティングとの違いや活用例

オフショアホスティング
このページではオフショアホスティングを中学生でもわかるくらい簡単に説明しています。

オフショアホスティングのメリットや活用例。混同しがちな「防弾ホスティング」との違いも理解できるはずです。

オフショアホスティングとは?

オフショア(offshore)とは、「海外で」とか「本拠地外の」という意味です。ですから、広い意味では海外サーバーすべてはオフショアホスティングとも言えます。

しかし、わざわざ自らをオフショアホスティングと名乗るホスティングサービスがありまして、それらホスティングサービスは金融でいう租税回避地(タックスヘイブン)と似たような用途で活用されています。

タックスヘイブンみたいなもの

税金だったら、ケイマン諸島やパナマなどが有名ですよね。香港やシンガポール、アイスランドなども該当しますかね。こういった税率の低い国に本拠地を移すことで合法的に税金の支払いを逃れることができます。

謎の博士
こういった手口には批判もあるが、合法であるのがポイントじゃ。

2013年7月にアメリカの消費者団体(pirg)が発表した調査によると、アメリカ企業上位100社のうち82社がタックスヘイブンを活用して税金を浮かせていました。日本でも伊藤忠商事、ソフトバンク、オリックス、大和証券、電通みたいな大企業もタックスヘイブンを利用していると報道されています。

倫理的な観点から批判はでて当然だと思いますが、株式会社は株主の利益を最大化することが求められているわけです。

合法的に税金を安くして最終利益を増やす方法があるのなら、その方法を使わないという選択肢はありえません。タックスヘイブンを利用していない企業経営者は怠慢だと株主から訴えられかねませんからね。

データ関連の法律を回避する

さて、税金の話(タックスヘイブン)からサーバーの話(オフショアホスティング)に戻しましょう。

タックスヘイブンは税金の安い国が活用されていましたが、オフショアホスティングではデータ関連の法律に寛容な国が利用されています。

具体的に挙げると、オランダ、ウクライナ、ブルガリア、リトアニア、マレーシア、ロシア、インド、香港、ルーマニア、セーシェル共和国などです。

こういった国にサーバーを置くことで、警察から個人情報を守りながら、自国では禁止されているコンテンツをWebの世界に公開するのです。

国際法や国際条約どうなってる?

物知りな人は「ベルヌ条約」「万国著作権条約」「実演家等保護条約」「レコード保護条約」などの国際法や国際条約の存在を気にするはずです。

確かに、上で紹介した国の中には著作権やデータ保護に関する国際条約を結んでいる国があります。ですから、オフショアホスティングを利用すれば100%違法性や安全性が担保されるわけではないと理解してください。

ただし、国際法や国際条約を結んでいたとしても、実際にそのルールを適用して取り締まるかは国によって一律ではありません。

さらに言うと、ホスティング会社によっても警察の捜査協力に応じるかどうかは様々です。「オフショアホスティング」と掲げている会社は、顧客(サーバー利用者)を最大限守ることを約束しています。

謎の博士
たとえば日本の国内法にプロバイダ責任制限法というものがあるじゃろ?これもホスティング会社によって対応は様々なんじゃ。自動ドアのように顧客の個人情報を提供してしまうホスティング会社もあれば、確固たる証拠を提出しない限り拒否するホスティング会社もある。
謎の博士
くら寿司とSo-netの法廷バトルが良い例かもなぁ

くら寿司とSo-netの法廷バトル

2017年、回転すしチェーンの「くら寿司(くらコーポレーション)」がプロバイダー業者「So-net(ソニーネットワークコミュニケーションズ)」を相手にした裁判がおこなわれました。

So-netのサーバーに設置されているインターネット掲示板上に「(くら寿司の)無添という表現はイカサマくさい」という書き込みがあり、くら寿司は「自社の社会的評価を低下させ、株価に影響を与えかねない」として、So-netに書き込み者の個人情報の開示を要求。

しかしSo-netは「書き込みは意見・論評に過ぎない上、真実だ」と、くら寿司の要求を拒否して裁判になっていました。

そして2017年4月12日の東京地裁の判決です。裁判長は「書き込みは、くら寿司の社会的評価を低下させるものではなく、仮に低下させるとしても、書き込みには公益性があるため違法性はない」「上品とは言えないが、意見・論評の範囲を超えた表現ではない」とコメント。くら寿司の敗訴が言い渡されました。

くら寿司 ソネット 裁判

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この裁判によってSo-netは顧客の個人情報や表現の自由を守る会社であると大いに称賛されました。しかしすべてのプロバイダがSo-netのような対応をしているわけではありません。

有名なブログサービスを運営している某企業は「クレームが入ったら内容に関わらず非公開にする」という処置をとっていたりします。

謎の博士
つまり、国際条約加盟国であったとしても、法律には解釈の余地があったり、国によって取り締まりの緩さ(厳しさ)は違うし、ホスティング会社の姿勢も様々なんじゃよ。
謎の博士
そしてオフショアホスティングは「顧客を守る」と宣言しているので、表現の自由を大切にしている人や法的にグレーなコンテンツを扱っている人に支持されているわけじゃ。

オフショアホスティングの特徴

オフショアホスティングの特徴を挙げます。

(1)海外サーバーである
(2)DMCAやプロバイダ責任制限法は無視
(3)表現の自由をに寛容である
(4)明確な犯罪行為は禁止している

もう少し説明します。

1、日本国外にサーバーを設置していることが大前提です。インターネットの世界ではサーバー設置国の法律が基本となります。

2、DMCAやプロバイダ責任制限法などに基づいたコンテンツの削除要求が届いたとしても無視します。海外サーバーなら本来は守る必要がなくても要求を受け入れるサーバーがある中、しっかりと無視してくれます。

3、アダルト、ギャンブル、ハッキング、Torrentサイトなど一般のサーバーで制限されてしまうようなコンテンツにも寛容です。

4、ただしすべてのコンテンツを許しているわけではなく、たとえばDoS攻撃スクリプトなどを禁止していることがあります。

防弾ホスティングとの違いは?

オフショアホスティングと防弾ホスティングは混同されがちです。しかし、ちょっと違うんです。

大雑把に説明しちゃうと「オフショアホスティングの強化版が防弾ホスティング」。そんな理解でまぁOKです。

防弾ホスティングの「防弾」は、警察などの公権力からの防弾です。したがって、オフショアホスティング以上に顧客情報の保護には注力していますし、利用できるコンテンツも極めて広いです。

動物虐待や児童ポルノに関するコンテンツを禁止しているところが多いですが、それくらいです。

防弾ホスティングの手口

防弾ホスティングが顧客を守る手段として、そもそも契約時に顧客情報をもらわないケースが多いです。「契約時に必要なのはメールアドレスとビットコインだけ」みたいな感じです。

つまり、仮に警察などに強制捜査されたとしても、そもそも顧客情報をもらっていないから絶対に契約者には辿り着かない仕組みにしているわけです。

謎の博士
価格はピンキリじゃが、オフショアホスティングは普通のサーバーより少し高いくらい。しかし防弾ホスティングは普通のサーバーの2倍はする。わざわざそんな高額なサーバーを利用するんだから、どんな人が利用しているかは想像つくじゃろ?

こんな人にオフショアホスティングはおすすめ

犯罪の手助けみたいになるのは嫌なので、ふわっとした表現になりますが、日本の法律ではアウトなんだけど海外では合法なコンテンツを扱っているならオフショアホスティングを利用するのが良いと思います。

日本は先進国の中でも著作権や表現の自由への理解が乏しいんです。

少し前までGoogleやYahooみたいな検索エンジンは日本の法律では違法でした(無断転載で著作権違反)。欧米にはフェアユースという概念があり、適正な目的なら著作者に許可を得ずにコンテンツを利用できます。アダルトコンテンツの「モザイク修整」も世界の先進国で実施しているのは日本だけです。

優良のオフショアホスティングを紹介

日本の方におすすめのオフショアホスティングは「Shinjiru(シンジル)」です。何を隠そう当サイトをホストしているサーバーこそShinjiruです。

shinjiru ブログ

Shinjiruは1998年にマレーシアで設立されたオフショアホスティングです。運用歴が長いというのは強い安心材料になりますし、実際に表示スピードからサポート対応までストレスを感じることがありません。

世界8カ国にサーバーを設置しており、顧客は自由にサーバー設置国を選ぶことができます。顧客のプライバシーや言論の自由を重要視しており、とても信頼できるホスティングサービスですよ。詳しくは当サイトのShinjiru解説記事をご覧くださいませ。

shinjiru ブログ

Shinjiruの批評(レビュー)【2019年度版】

2018年1月17日

今回は以上です。今日もあなたがハッピーな一日を過ごすことを願ってます。それでは。

3 件のコメント

  • 初めまして。

    現在使っている海外のマネージドVPSサーバーが少し問題を抱えてきたため新しく探している所に、問題解決に繋がりそうなオフショアホスティングに行き当たり、こちらを訪問させていただきました。

    いくつか見つかったオフショアホスティング会社はなんだか不安なところが多い中、紹介されてるshinjiruは筆者様と同じ視点で信頼に足りそうだと感じております。

    ただ私はサーバーのことも英語も不得手のため、これらが契約後にサーバーのセットアップが必要なのかわかりませんでした。私のサイトはwordpressで作っているのですが、特にサーバーの設定は必要なく、契約後wordpressをインストールしてバックアップからDBを突っ込むという単純な作業でサイト移転できるものであればいいなと思っています。

    • shimanoさん、コメントありがとうございます。

      ShinjiruのVPSについては正直わからないです。Wordpress専用サーバーを含めた共有サーバーなら、shimanoさんが期待しているように簡単な作業でサーバー移転できます。コントロールパネルがcPanelではなくPleskなのは少し珍しいかもしれません。とは言え、感覚的に操作できますしcPanelと同じくphpMyAdminを使ってデータベースを入れるだけです。

      • 回答ありがとうございます。

        なるほど、感覚的に使えるのであれば良いですね。高トラフィックに耐えられるプランを探してみたいと思います。ありがとうございました。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    KEN TAKANO

    当サイト「海外サーバー批評」の管理人です。1981年生まれ。現在は海外在住。仕事で海外のサーバーを使うことが多くて、ずっと前から海外サーバーに関する日本語情報が少ないのでシェアしたいなと思っていました。あなたの役に立ったら嬉しいです。