DMCAとは?
DMCA Ignoreは「DMCAを無視」って意味ですが、「じゃあDMCAって何なのよ?」って話になりますよね。そこで、まずはDMCAを簡単に説明しますね。
DMCAは、デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act)のことです。アメリカ合衆国が定めたデジタルコンテンツに関する著作権の法律で、事実上、世界のデジタル著作権の基準となっています。
そうですそうです。日本の「プロバイダー責任制限法」のようなものと理解してもらってOKです。というか、プロバイダー責任制限法はDMCAを参考にして作られたと言われています。
『利用者が法律違反をしたとしてもホスティング会社などインターネットプロバイダには責任はありませんよ。ただし、必要によってコンテンツの削除や個人情報の提供をしなさいね』というのがプロバイダー責任制限法ですよね。基本的にはDMCAも同じ。
DMCAが事実上の世界基準
DMCAがデジタルコンテンツに関する著作権の法律で事実上の世界基準となっている理由は、ウェブの世界でアメリカ企業の存在感がデカいからです。すごく単純な話ですよね。
たとえばGoogleです。Googleはアメリカ企業なのでDMCAを遵守しています。防弾ホスティングに置かれているコンテンツを削除することが出来なかった場合でも、Googleの検索結果から削除してもらうことで著作権を侵害しているコンテンツを目に触れにくくすることができます。
DMCA Ignoreのサーバーとは?
DMCA Ignoreを掲げているホスティングサービス(サーバー)は、「DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づいた削除依頼が届いたとしてもすべて無視する」とい方針を採用しているホスティングサービスです。
「我々は最大限あなたの言論の自由を守る」みたいなカッコいいことを書いていたりします(笑)。
そう心配になりますが、DMCAはアメリカの法律ですからね。サーバーがアメリカに設置されていないのなら従う義務はないわけです。アメリカを拠点にしている防弾ホスティングサービスが少ないのはDMCAの影響です。
そう、アメリカに拠点があったとしてもサーバー設置国の法律が適用されるんですけど、アメリカを拠点にしている防弾ホスティング会社は多くないです。
そんな疑問も浮かびそうですが、DMCAと同じ対応になります。というか、そもそもDMCAもプロバイダー責任制限法も国内法なので、海外サーバーに対して拘束力はないんです。
DMCA Ignoreのメリットは?
アウトローな人にはメリットが大きいだろうというのは容易に想像できると思います。
では、悪いことをしようと思っていない普通の人にとってDMCA Ignoreのサーバーを利用するメリットがあるのでしょうか。もちろん一般の人にもメリットはあります。たとえば2017年にDMCAを逆手に取った「逆SEO対策」が話題になりました。
要するに、言いがかりをつけて(嘘をついて)、DMCAに基づいた削除申請をしてGoogleの検索結果から消してしまうという手口です。これは2018年1月現在も通用します。
GoogleのDMCAに対する対応ですが、明らかに著作権違反してるのに応じてもらえなかったり、著作権違反なんてしていないのに検索結果から削除されたり、批判を浴びています。
IT業界のドンであるGoogleでさえもDMCAに対する対応が不透明で一貫していないのですが、それは一般のホスティング会社にも言えることです。
請求が届いた時点で内容に関わらずコンテンツを非掲載にしてしまう会社、自動ドアのようにお客の個人情報を開示してしまう会社もあります。
もちろん、しっかりとした証拠を提示しなければ請求には応じないホスティング会社もありますが、それをサーバー申し込み前に知るのは困難です。
まとめ
DMCAもプロバイダー責任制限法も、ホスティング会社によって対応は違います。
かなりルーズに削除申請に応じてしまうホスティング会社も少なくない現状なので、悪いことをするつもりのない人がDMCA Ignoreを掲げるホスティングサービスに申し込むのはアリですし、実際そういったケースが増えています。